国際学会でアメリカへ行った話
アメリカで学会発表
しました。SfN: Society for Neuroscienceという学会の年次大会 Neuroscience 2022です。
大会の開催日時は現地時間11/12(日)~16(水)、各日朝8時から17時まででした。
学会の会員登録に75ドル、アブスト投稿に145ドル、参加登録に250ドルかかりました。
日本円換算で合計6万円くらいです。たけぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以下長いので時間のあるときにお読みください。
1 渡米
場所は西海岸カリフォルニア州のサンディエゴです。
成田からサンフランシスコ経由で約10時間、全く眠れずに到着です。
往復チケットはユナイテッドのエコノミーで購入当時17万円くらいでした。たけぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後すぐ40万円くらいに跳ね上がってます。あぶねぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
着いたのは現地時間11/12の午後2時頃、すでに大会1日目が始まっていた頃です。
少し時間を遡って現地時間11/12の午前10時頃、サンフランシスコ国際空港(SFO)に到着。
数年前にマレーシアへ行って以来、2回目の海外です。
さてアメリカの入国審査は厳しいという噂を聞いていたのですが、まあなんとかなるやろと思いながらゲートへ。
はなしたひと | はなしたこと |
---|---|
審査官 | 何の目的? |
ぼく | サンディエゴの学会に参加します。 |
審査官 | 帰りの飛行機のチケットはある? |
ぼく | (飛行機チェックインしてないんだからあるわけねえだろ) あー、ちょっとまって |
審査官 | (明らかにイラついてる) じゃあホテルの予約と学会参加の証明は? |
ぼく | (メール見せればいいか) OK、ちょっとまってね |
ぼく | (回線が遅くてなかなか予約ページが開かない) 不便でごめんね、もうちょっとまって |
審査官 | ♪~ (口笛を吹き始める) ... みなさ~ん、審査に必要な書類は事前に準備してね~、時間を無駄にせんように (クソデカボイス) |
ぼく | (うわめんどくせえ) はいはい、これね (スマホでホテル予約メール、学会アブスト通ったメールを見せる) |
審査官 | 金儲けに来たのか?(半笑いで親指と人差し指の腹を擦りながら) |
ぼく | (は?) ...違う。 |
審査官 | ... もういい、行っていいよ |
きちぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~*1
別の審査ゲートから指導教員が出てきたので事の顛末を話したら、
こっちは、学会参加です~と伝えたら「ああ、今日はそれ目的の人多いよね~」
で、ちょっと雑談して終わりだったよ
入国審査と荷物受け取りにやけに時間がかかりましたが、無事なんとかなりました。*2
サンディエゴへの乗り継ぎまで時間ができたのでSFOで早めの昼メシです。
店で適当に買ったら16ドル(2200円くらい)のヴィーガン向けヌードルでした。
パクチーが入ってた以外はまあ悪くなかったです。
さてサンディエゴ空港に到着、空港からホテルまではタクシー。いまはUber専用乗り場のほうが広くとられてました。
道中、運転手と指導教員が会話してました。日本については東京、広島、長崎を知ってるそうです。さすが。
あとこのカリフォルニア州では大麻が合法化されたということで、どうだ?と言われました。苦笑いで対応。
支払いは今どき珍しく現金を要求されました。先生が対応。
ホテルは会場からほど近いComfort Inn Gaslamp Convention Centerでした。
周りと比べて宿泊費が安く、かつ設備が普通に良いです。部屋撮り忘れた。
それでも5泊で1000ドル、だいたい14万円くらいです。たけぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
荷物を置き、すぐに学会へ向かいました。
2 学会とサンディエゴ
学会会場は海沿いのSan Diego Convention Centerまるごとです。 1Fホールにはポスターが1セッションあたり1000発表くらいずらーーーっと並んでおり、ポスターを見回るだけでもいい運動になりました。
同じフロアには企業ブースがあり、こちらもかなり魅力的でした。
2F小ホールではオーラルセッションが20部屋くらい同時進行してました。
大きなホールは休憩スペースとArt of Neuroscienceという名のハンドメイド土産のブースとフードコートでした。
私はここのTwo photon artで脳のピンバッジ(15ドル)を購入。
ホールから外に出ると海沿いの景色を一望できました。
1日目(11/12)の会場を一通り見て回ったあと、指導教員と合流してスーパーで買い出し。
ビールはKrisp Beverages + Natural Foods というところでVoodoo IPAと(たしか)Stone IPAを購入。
ここクラフトビールの種類がマジで多いです。
その後Grocery Ourletという別のスーパーでサルサな感じのサラダ(?)、Slow cooked pork、ベーコン、ドリトスのバリューパックを購入。
ホテル帰還後、買ったもので先生と飲み会。このホテルは個室に電子レンジがあって便利。
ベーコン、電子レンジ調理するとカリカリになってとてもおいしかった。
ざっくばらんな会話をしながら飲み食いしてました。
話の流れでOMORIを勧めておきました。おすすめのゲームです。
その後就寝したかったのですが、窓が薄いのと場所柄で夜中まで非常にうるさかったです。
ホテルの窓からの風景を動画で撮ったので貼っておきます。
撮影は夜10時あたりですがもう少し夜が更けるとパトカーと叫び声とクソデカエンジン音の応酬へと変わり余計にうるさくなりました。
2日目(11/13)以降は二手に分かれてそれぞれ興味ある発表を見てまわりました。
見た内容は割愛しますが、やはりマルチ電極で記録→多変量解析、デコーディングモデル構築、というのが電気生理界隈では主流で、私は少し置いてかれてる感がありました。
まあ私にはその先の切り札があるんですけどね。
あとは電気生理計測やいわゆるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)に使う電極のデバイス開発やその評価についての発表は見ていて楽しかったです。
こういうデバイスはどれだけ脳にダメージを与えず、どれだけ空間分解能やSN比よく計測できるかというのがミソです。
BMIなら数年頭に埋め込むなんてザラですし、デバイスにも電極にもダメージはできるだけないほうがうれしいです。
もちろんどれだけたくさんの情報を得られるかというのも大事ですね。
機械学習でシグナル→行動のモデルを作り、考えただけでマウスやロボットアームを動かす、というのはもう実現されてますが、それもより良いデバイスによるより良い神経活動データがあってこそです。
ところでオーラル発表ですが、プレゼンの文字がちっちゃい、会場の明るさで文字が潰れて見えない(ようなデザインにしてる)、みたいなのが割とありました。
発表者は殆ど大学院生やポスドクだから、コロナ禍でオンライン発表の経験しかない人もいたのかも。
英語聞き取れない部分をスライドの情報でカバーしようとしてた私には痛手でした。
2日目は時差ボケか眠気とめまいがひどく、午前のオーラルだけ聞いて帰宅。
以降は発表を見つつ、夕方あたりのサンディエゴを散歩したり買い物したりしてました。
まず目についたのはホームレスが多いことです。歩道の街頭がない暗めのところには必ずと言っていいほどテントが複数張られてました。
同時に歩道へ座り込んで上着を頭まですっぽり被せて何かを吸うかしている人たちもいました。
できるだけそういう道は通らないようにしましたが、避けられない場合は様子を見て車道まで避けて歩きました。こわいね。
パンデミックだの物価上昇だのの世知辛い部分が、日が落ちると共に明るみに出てきたといった様子でした。
次に目についたのは、やはり物価の高さです。レストランの類はどうあがいても15-20ドルかかるみたいです。
サブウェイなんかもありましたが、サブウェイの日本語でもやりたくないあのやりとりを英語でできる気がしなかったのでパス。
ということで、殆どの食事はスーパーで買ってきたものでした。特にレンジ調理できるカップ麺。
日清製品の汁なし麺のシリーズみたいです。日本では見たことない。二種類買いました。各2.2ドル。
常温の水を注いでレンチンすると食べれます。普通に美味しかった。
あとホテル内/会場での水分補給にゲータレード(3ドル)。
時差ボケでダルくてゲータレード以外何も飲み食いせずにいた日はうんちがカラフルでした。
汚い話の直後で申し訳ないですが、ここのホテルの朝食は普通に良かったです。
3 発表とその後
私は最終日(11/16)の午後のポスターセッションで発表しました。内容については割愛。
セッションは13時から17時までの4時間、dutyは1時間ですが殆どの時間ポスターの前にいました。長い~~~~~~
かなりニッチなテーマにも関わらず、たくさんの方に興味をもってポスターを見たり質問をしたりして頂けました。
同じテーマで国内最大級の学会で発表したときは全くフィードバックをもらえなかったので*3、これはかなり嬉しかったです。
ただ私が聞き取れない質問も多くあり、隣で発表してた指導教員にかなり助けてもらいました...
発表終了後、但馬ラーメン で打ち上げ。ホテルの近くにあったラーメン屋で、行きたいなと思っていたところです。
ここはラーメンをメインディッシュに据えた日本居酒屋という感じでした。
私は"Tajima noodle(14ドル)"と"Takoyaki(7.5ドル)"を、先生は"Spicy Sesame Ramen(13.5ドル)"と"Karaage(6.5ドル)"を注文。
アメリカのラーメン屋ということで怖いもの見たさ半分だったのですが、その不安が吹っ飛ぶくらいには美味しかったです。店内の雰囲気も良い。
Tajima noodleはオーソドックスな豚骨ラーメンでした。チャーシューは豚か鶏が選べ、私は鶏を選択。
Spicy sesame noodleはいわゆる担々麺です。先生曰く普通に結構辛かったとのこと。
たこ焼きと唐揚げも日本のと変わらない美味しさでした。ちなみにたこ焼きは揚げ焼きスタイルでした*4。
あと店内にアーニャとカービィと、なんだっけ、がいました。
ここも例に漏れず普通に高いですが、良いお店でした。また来よう。
その後、先生オススメのGhirardelli Ice Cream & Chocolate Shopでお土産を購入。
個包装チョコの詰め合わせ1kgが1袋35ドルで売っており、これを2袋購入。2袋目が半額17.5ドルでした。すごい重量感。
店内はイートインもあり、店全体が甘い匂いに包まれてました。
次の日(11/17)の朝は5時にホテルを出発し、サンディエゴ国際空港へ向かいました。
このタクシーでも現金を要求されました。先生が対応。
チップに適した小銭がなかったため、通常料金20ドルに加えてチップで20ドル札を渡す羽目になってました。これはUberが流行るわけだ。
セキュリティ後の売店では様々なフレーバーの昆布茶(KOMBUCHA)が売ってました。ブームなんですかね?
ただストレートの昆布茶はなかったです。なんでやねん。結局買わず。
あと寿司屋が多かったです。中華料理屋よりも多い印象。これも西海岸のブーム?
SFOで気になってたロボットアームのカフェを利用。抹茶ラテ(6ドル)を購入。
帰りのフライトは何のトラブルもなく。サンフランシスコから成田へのフライトはずっと機内端末のクイズゲームで遊んでました。
日本時間11/18(金) 15時ころに成田国際空港へ到着。長いようで短いアメリカの旅はここで終わりました。
帰国後の検疫はスマホアプリでやったのですが、結局従来どおり紙書いて出すほうがゲートが混んでおらずすぐ通れたというのがモヤモヤしました。
4 おわりに
はじめてのアメリカは大変でしたが楽しかったです。
上で紹介したお店等の場所まとめです↓
以下、私が至らなかった部分についての教訓:
- 滞在先情報と滞在目的についての証明書類は印刷して準備しておいたほうがいい
- アメリカの入国審査は厳しいので求められうる
- アメニティは現地調達に頼らずできる限り持っていったほうがいい
- 特に食器、特に箸。
- 飛行機で寝られる装備を用意したほうがいい
- ノイキャンイヤホン/ヘッドホンは大事。俺は家に置いてきた。
- 時差ボケ対策はしっかりしたほうがいい
- 概日リズムはどうあがいても1日じゃ完全には変えられない
- ネットに書いてある「現地の朝にしっかり起きる」で時差ボケを解決できるのは時差に慣れた人だけ
- 日本にいる間からちょっとずつずらしたほうがいい
- 普段から生活リズム壊れてるからって時差ボケが無効化されるわけではない
- クレカは一時増枠しておいたほうがいい
- アメリカは何でも高い
- メシ一食15-20ドルはかかる
- ホテル支払いで詰みかけた
- バーコード支払いはあまりなさそう
- 飛行機チケットとホテルはクレカ払いを強いられるのでそれだけで最低30万の利用枠が吹っ飛ぶ
- 貯金しといたほうがいい
- 研究予算による出張だが、学生であっても自腹で立替えなければならない
- 学会参加6万+成田との往復2万+飛行機17万+ホテル14万+現地生活費1万=40万円飛んだ
- 旅費の支給は早くても次の月になる
- 支給額は規程に従い、ホテル代にあたる日当は国や地域による固定額
- 日当について、よっぽど安い宿に泊まらない限りアメリカだと赤字
- 40万+1ヶ月生活できるお金が最低でもほしい
- 少しくらいは現金を用意したほうがいい
- 基本クレカでOKだったけど、タクシーは現金を求められた。
- チップのために安い紙幣とコインもほしい。
- じゃあUberでよくね?
めちゃくちゃお金がかかったけど、それだけ得られるものはありました。
次はもっとちゃんと準備していこう。(終わり)