T_TEST__

ヌクレ落ち度(ヌクレに落ち度がある)

博士後期課程がもうすぐ終わる(といい)のですが

この記事はTUT Advent Calendar 2023の24日目の記事です。

adventar.org

本記事執筆時点でアドカレが数日間分更新されていないところから、卒論の時期なんだなあというのを感じます。
前日はのりたまさんの記事でした。クラブイベントってまず足を踏み入れるのに勇気がいりますよね。わたしもそうです。行き慣れたところでさえ、ドアの前では何ともいい難い緊張感を覚えます。


はじめまして

3系D3(博士後期課程3年)のT_TEST__です。
ひろゆきは嫌いじゃないけどひろゆきが好きな人は嫌いです。
最近キャリアプランに関する記憶がすべて飛びました。
いまジャーナル論文と博士論文と実験を同時並行で頑張っており、寒さがそれらをすべて台無しにしています。助けてください。
今回は博士後期課程に来たきっかけと3年間過ごした所感を書き散らします。


きっかけ

まず高専5年のときにうちの3系で博士をとった先生が新任でやって来て、わたしは卒研でそこに配属しました。ここで今の研究分野を知りました。
これは非常に面白いテーマで、大枠では今の研究も解明したいことは同じです。
この高専の卒研でモチベを得て、うちの3系に編入学しました。コンピュータサイエンス高専色々あってだいぶ苦手意識ができてましたが。


学部4年では研究室見学の先生の熱意が強く印象に残ったラボを選びました。ここは高専のときよりもバイオでウェット*1 な研究テーマを掲げており、3系のなかでは異質かと思います。
研究内容については割愛します。探せばすぐ出てくる。おかげさまで化学実験器具、医療器具の扱い方はだいぶ慣れました。


卒研発表のあと、先生とお話するなかで、先生から「ぜひ博士後期課程へ進学してほしい」という誘いをうけました。第一のきっかけはこれです。
ただ経済面が課題でした。そこで、博士課程教育リーディングプログラムが目に留まりました。
これは博士前期・後期課程の5年間を経済支援しながら特別な教育を施す、文科省が支援したプログラムです。在籍者には入学金・授業料免除のほか、生活費にあてられる支給があります。
博士後期課程なんて全く考えてなかったので、リーディングプログラムの説明会には参加していませんでしたし、応募締切も直前まで迫っていましたが、なんとか各種書類を揃えて提出、応募面接も今思い返すとあれでよく通ったなという内容でやり切り、みごとプログラムへの採択を勝ち取りました。同期は私含めて4人いました。
これで、経済面の心配はなくなりました。これが第二のきっかけです。


こう書くと受動的だな~と感じるでしょう。おかげさまで、運とタイミングを勝ち取ってここまで来れました。
今の研究テーマをやるためにここまで来た、というのはあくまで後付けです。
こう書くとネガティブだな~と感じるでしょう。でもこれは後付けであると同時に私の本心でもあります。それだけ今の研究テーマは面白いんです。だからこれが第三のきっかけです。

現在

過程を書くと長いので省略。
D2の秋、初の海外国際学会 in アメリカ。英語が聞き取れず残念な思いをすること多数。

D3の夏の終わり、やっと一本目のジャーナル論文がアクセプト*2インパクトファクターが年々増えてていい感じのジャーナルに通ったのは非常にうれしかったです。
このアクセプトに至るまで、数ヶ月にわたって上位の某有名論文誌数本のリジェクト*3を経ました。おかげさまで上記のリーディングプログラムは業績不振とみなされクビになりました。


さて3系における内規として、査読あり学術論文が最低二本必要です。で、
...
...
...


いま二本目を書いてます。初秋の投稿はリジェクト、そのときのエディターのコメントを受けた再投稿も最近リジェクト。
この時点で来年3月修了のための業績の内規を満たせない可能性が高くなったため、いまは来年6月の修了を目指しています。*4

そういえばリーディングプログラムの同期はあと3人いましたね。ある2人は修士のあいだにどこかへ行ってしまいました。もうひとりは残っていますが、わたしと同じくかなり厳しそうです。


所感

え、もう終わるの?

平日を毎日頭をからっぽにして実験することに費やしていたら、いつの間にか三年目の冬である。嘘だろ?
しかも諸々間に合ってない。嘘だろ?
就活してない。嘘だろ?*5

えらい!(自己評価)

ただ、やってきた研究は博士論文に値するんだという自負はあります。博士論文を書いたり同分野で他大学の博士論文を読み漁ったりを経たうえでそれを感じます。
あと学会や研究会を通して、わずかながら他大学や他研究所の先生方に顔を知っていただけたらしいことはかなり嬉しいです。
今は指導教員の影響下なので物凄いバフがかかってます。この先どうなるか。

英語力はだいぶついたと思います。英語の勉強を特別にやっているわけではないですが、最近TOEICのスコアが800を超えました。うれしいね。
英会話についても少しずつできるようになっているなという実感があります。まだネイティブ相手はつらいですが。


えらくない!(自己評価2)

実験は色々と手間取って準備含め丸5年くらいかかっちゃった。たぶん指導教員の先生はこんなかかると思ってなかった。私もそう。
実験環境・対象・手法が特殊なのでまずそれに慣れることに時間がかかったし、何より実験そのものが長かった。
実験の詳細は伏せますが、例えるなら超レアな魚を穫るために、毎日場所を変えながら一本釣りする感じ。しかも一匹じゃ駄目。数ヶ月アタリがこないこともある。終わりが見えない。
この苦しみは先生も博士研究員の時代に経験していたらしく、だいぶ励まされました。
予定をオーバーしたのはえらくないけど、それでもやり通せたという意味ではえらいかもしれない。


おわりに

あっという間に時間が過ぎてしまった。
博士後期課程は就職先がない!という話はよくあるけど、3系については全くそんなことないですね。
私の分野については全くそんなことありますね。ちょっと前に観た分野別の産業/学術界需要グラフ、私の分野はほぼゼロだったし。 JREC-INとかみてみると、民間もゼロじゃないけどだいぶ学術寄りではあった。研究リソースを提供する民間企業、みたいな。


今後どうするか、ですが、来年度もちょっとだけここに残ってから、あとは未定です。アカデミアで博士研究員やるかもしれないし、全く分野に関係ないことしてるかもしれないし。いまのところ半々くらい。 アカデミアの求人は新卒一括採用だとか毎年求人だとかそういうのじゃないので、どうあがいてもわたしに需要がなければない、で終わりの話だから、決まったようなことは直前にならないといえないです。

お前じゃなくてもっとマトモな人の所感が知りたい!という方は、私の先輩方のそれをお読みください↓

elnikkis.hatenablog.jp

note.com


この話はここでおしまいです。さてアドベントカレンダーも残すところあと一日となりました。表TUTアドカレの最後は †凍てつく氷の舞姫† による「入学初っ端から4つのサークル入った結果」が公開予定です。彼は天才です。

*1:実験系。↔ドライ(計算系)

*2:ジャーナルへの掲載許可

*3:ジャーナルへの掲載拒否。同じジャーナルへの再投稿は不可。ジャーナルとの相性だったり、査読者やエディターとの相性だったり、そもそも論文じたいの出来が悪かったり。

*4:博士後期課程の審査・修了スケジュールは色々あって、6月というのもあらかじめ組まれてあります

*5:もうちょっとだけ残ります