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ヌクレ落ち度(ヌクレに落ち度がある)

Web開催になった学会に参加したレポート

太長不看

  • 参加登録した学会が昨今の事情からWeb開催になった
  • スケジュールを気にせず視聴しまくれるのは良かった
  • 現地開催のような特別感・緊張感・達成感などは得難いと思った

文章がまとまってない感があるので、後で編集します。

経緯

日本神経科学大会 https://neuroscience2020.jnss.org/ は日本神経科学学会が年に1回催す大会で、毎年数千人が参加する、神経科学の分野では最大級の国内学会です。

今年度の第43回大会は昨年末から参加・演題登録を始めていて、私はポスターで参加・演題登録をしました。

しかし書くまでもない昨今の事情から現地開催は中止、代わりにWeb上での開催というアナウンスがされました。

発表資料の作成

Web開催に変わったため、ポスター発表を含めたすべての発表は決められた長さのプレゼン動画を投稿するという形式に変わりました。

ポスター発表の場合は3分以内の動画で、要はライトニングトークだのフラッシュトークだのいうものでした。発表はすべて英語でした。

動画の中身は研究発表さえできれば自由で、例えばポスターやスライドで説明する様子をビデオ撮影するもあり、Powerpointのプレゼン記録・動画出力を使うもありでした。私が見る限りすべての発表者が後者で投稿していました。

私も始めは後者に従いPowerpoint内で発表の録音をしていたのですが、スライドを切り替える間の前後数百ミリ秒ほど録音が途切れたり、録音した音声がグリッチがかかったように乱れたりしたことが相次いだため、私はAudacityでスライド毎の喋りを録音し、それを各スライドに貼り付けるという方法をとりました。

あとは「プレゼンの記録」で貼り付けた音声に合わせてスライドを送っていくだけです。

この方法の利点は、前述の問題を解決できることに加え、音声を弄れるということがあります。私は録音にコンデンサーマイクを使っており、これが環境音をよく拾ってしまったため、後処理で環境音の除去をしたいなと思っていました。そのためにも音声を別撮りにするのは良かったです。

それにしても、研究成果を3分にまとめるのはものすごく大変でした。どうしてもオーバーする場合は、音声を入れずにスライドをパラパラと流すだけの動画でもよかったみたいです。

締め切りは大会の1ヶ月前でした。つまり大会の前日まで資料作成にバタつくことがなくていいですね。でも普段から余裕を持って物事に取り組もうね。

学会当日

学会のやり方は、発表者は予め作った発表動画をアップロードし、それらは学会期間であればいつでも視聴できる、という方式です。

このやり方の利点は、学会でありがちな「聞きたい講演どうしのスケジュールが被っていてどちらかを捨てざるを得ない」みたいなのがないということと、時間の拘束がないので学会期間中でもずっとラボで作業できるという点です。また、面白かった講演を何度も聞き直して知識を定着させることができるのもよかったです。私は他人が喋ったことを一度で聞き取って消化することが非常に苦手なので、聞きなおせるということは非常に助かりました。

発表は基本すべて英語ですが、「教育講演」というカテゴリで、その分野の基礎的な内容を日本語で講演いただくものがありました。この分野の初心者である私には非常にありがたかったです。

また、ポスターセッションは1つあたり3分なので、多くの発表をささっと眺められるということは見る側としてはよかったです。

そして私が見る限り、音声を入れずに大量のスライドを流していく発表が少なくなかったです。視聴者が動画を一時停止して見ればよいというのは確かにそうですが、面倒でした。それだったら始めからSlideShare (+音声) みたいなのがよかったな。

また、そもそも発表動画をアップロードしていないものも少なからずありました。気になってたシンポジウムの発表がAbst onlyだったときはちょっと悲しかったです。ところでそれって発表者 (?) の業績に数えられるんですかね。

質疑は大会サイトの発表ページ上に書き込むと発表者にメールが届き、そこからは互いにメールでやりとりする、という方式でした。せっかくweb開催ならば掲示板的な感じでディスカッションを共有したかったな、と思いました。オーラルセッションも同様でした。

また、各日の視聴回数ランキングというものがまとめられていました。特別講演等トップ視聴回数のものを見ても1000回未満/日であり、参加人数(推定3-4000人)に対して視聴回数が少ないような気がしました。そうなると、各発表に対してどれだけの質問が来ていたのか気になります。私はテキストのほうがやりとりしやすい性格なので、テキストでディスカッションできるこの形式はいいなと思っていましたが、全体として現地開催よりもディスカッションが過疎っていたならば、なにか策を練る必要がありそうだなと思いました。

加えて、Web開催では臨場感がないゆえ、学会が終わった今でもあまり達成感が得られていません。先生方にとっては臨場感なぞどうでもよさそうですが、私 (のような学生) にとっては学会発表が研究のモチベーション維持に大事な役割を果たしているので、いまいち学会で発表した!という気持ちが沸かないのは残念でした。こればかりは現地開催でないと得られないものかなと思っています。

さいごに

学会のWeb開催には良し悪しがあり、Web開催ゆえの利点と現地開催でしか得られないものがトレードオフの関係にあるような気がしています。まだこの試みは始まったばかりゆえ、これからよりよくなっていくのだと思います。

最後に、この騒ぎのなか大会を全面中止とせず、短いスケジュールでWeb開催という形式を整えて開催し、私に発表の場を与えてくださった大会運営の先生方に深く感謝申し上げます。