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ヌクレ落ち度(ヌクレに落ち度がある)

いつの間にか工学と距離を置いていた話(と雑記)

この記事は TUT ADvent Calendar 2021 13日目の記事です。

adventar.org

太長不看

この人には軸がない

こんにちは

私はいまD1です。豊橋に来て5年目です。
私は3系、つまり情報・知能工学系にいます。
ですが、私は情報工学をやりにここに来たわけではありません。

今なにやってるの

私の興味は入学時から脳の仕組みと機能にあって、それを研究するためにここにいます。
かつて脳計測というと1個ずつ、または数個ずつのニューロンから記録する、を重ねて別々の100個のニューロンから時系列データをとる、みたいなやり方しかありませんでしたが、今はより強力な多点電極やらfMRIやらによって数千のニューロン、あるいは全脳からデータが得られるようになったわけです。ただし制約があります。私自身はその制約のため「かつて」の手法に、開発した特別な技術をくっつけてやってます。
ここらへんの話は以前に私が書いた以下の記事を読めばだいたい分かるかと思います。

xxt3.hatenablog.com

xxt3.hatenablog.com

...という感じですが、おそらく多くの人はじゃあ理学とか医学とか行けばよかったんじゃないの?となりますよね。私もそう思います。 ただ私はもと工学を志して進路を選んできた人です。つまりそこから様々あって工学への興味が薄れて神経科学を志すという流れでした。
今回はその話をします。

ロボットを作りたい

という志望動機で中学の校長と面談をして、一関高専の制御情報工学科の推薦をもらったのが中学3年の秋です。
それまでは県内上位の普通課高校しか考えてませんでした。高専は友人の誘いと岩手の普通科高校特有の厳しい応援団と応援歌練習から逃げたいという気持ちから選びました。
はじめの動機こそネガティブですがロボットを作りたいという気持ちはたぶん本物でした。その頃からプログラミングが好きだったりロボット等の工作教室にはよく行ってたりしてましたし。
そのときから高専ロボコンのことは知っていたので高専に入ったらロボコン~~みたいなことを漠然と考えてました。

結局ロボコンには行かず

電子計算機部でプログラミングを学びました。理由はポジティブなものとネガティブなものがあり、前者は勧誘に来てくださった先輩方とよく話が合ったこと、後者はロボコンのハードスケジュールに気圧されたことです。
ただ、私も理解力と何より根気が足りず、結局パソコン甲子園の本戦に1回出ただけであとは何の成果(物)も出せませんでした。
これに関しては顧問の先生からも(部全体に)強いお叱りを受けました。ここから部としては(私の卒業後に)非常に燃え上がって強くなっていくのですが、対して私はほぼ完全に冷めてしまいました。
部のレベルについていけなくなったんですね。

また高専の授業は(中学生当時の)私の予想外なものでした。
制御情報工学科(当時)の授業は、4年生までは私が思っていた以上に情報<制御、という感じでした。材料工学とか加工学とかもやりました。
5年生から、「制御コース」と「情報コース」が選べ、それぞれ授業内容が特化しました。
私は電子計算機部のメンツや情報系との先生方とのつながりが深い、にもかかわらず制御コースを選びました。
これはネガティブな理由で、「情報系から距離を置きたかった」のです。
距離を置きたいというのは、前述の部活動でモチベーションがなくなった、というに加えてもう一つあります。
私たちのクラスは割とやんちゃな人がいたりヘマをしたりというのがあったので、情報系の先生からよく強いお叱りを受けていました。
私としてはそれがかなり心にきていて、これに怯えながら1年間を過ごすのはちょっときついなと感じたわけです。
そんな学ぶ立場としてはだらしない理由で、逃げるように制御コースを選び、半導体や現代制御について学びました。
結果的にこれは今の研究に活きてるのでいい選択でした。

工学と距離を置く

こういった流れで、私が中学から志していた(情報)工学、というものに嫌気がさしたわけです。
そんなときに、私が神経科学を志すに至った転機が訪れました。卒業研究です。
ここで視覚の心理物理学というものをやりました。TUTであれば3系のヒューマン・ブレイン領域の研究室が当てはまります。
視覚は学んできたなかで私が一番魅力的に感じるものでした。そして私は進学先に指導教員のいた大学を選びました。それがTUTの3系です。
視覚研究をしているのが3系だったから3系を選んだんです。情報系で選んだわけではないです。
ここまでの流れは以下の記事にも詳しく書いてます。

xxt3.hatenablog.com

神経科学へ

ここで更に予想外な出来事に出会いました。ヒトではなくサルを対象とした神経生理実験を行うラボがあるというのです。
ご想像の通り、ヒト相手に侵襲的、つまり電極を挿すような脳を侵すような直接的な計測は基本的にできません。しかしサルやマウスであれば可能です。
この出会いによって、私はより脳を直接覗くような研究をしたい、と思うようになりました。
そして指導教員の勧めで博士後期課程に足を踏み入れ(てしまい)、今に至ります。ここはラボの名前が言う通り、工学ではなく「科学」の研究室です。ここにも、私は工学から科学へと興味を移したことがあらわれているようです。
ただヒトではない生き物相手の、しかもかなりセンシティブな研究だけあって、かかる倫理的責任や(情報工学系出身の私にとって)手技を身につける大変さは非常に大きいです。
その分得られるものは大きい(ように研究をしなければならない)です。脳は科学の最後のフロンティアと言われています。私もそこへできるだけ長く携われたらなあと思ってます。

...ところで、この分野からマッチングできる就職先ってアカデミア以外だと存在するのか...?(するにはする)

おわりに

以上、工学を志してから神経科学に至った10年間でした。
結局何をいいたいのかというと、当初の想像通りことが運ぶとは限らないし、それでうまくいくこともあるということです。
あまりいい印象はないかもしれないけど、やりたいことを見つけるために大学へ行く、というのもアリだよといいたいです。 テーマを変えてしまってすみません、去年の自分の記事とかなり被っちゃってました。

明日は「自己肯定感について考えてみた」という記事が来るみたいです。お楽しみに。


以下、ここまでとは無関係の雑記

  • アラサーに足を踏み入れてから揚げ物、脂身のある肉、アブラの濃いラーメンがきつくなってきた。魚介しか勝たん。
  • D1になってもサークル運営に携わってます。今年度まで人が少なく、対して失くすには非常に惜しいほど価値のあるサークルだったので。今年度はじゅうぶん人が来てくれたのでよかった。
  • 人がいなくなるとサークルは代謝ができなくなる。つまり、ゴミがたまる。おとといサークルの倉庫にたまってたゴミを廃品回収に出した。次は私が回収される番か
  • かつて駅前のひとり飲み歩きを週1でやっていたが、コロナで出来なくなってしまった。そろそろ再開できないかな。
  • 学内全面禁煙になりましたね。私は吸わないですけど。逆にまずいと思う。